皆さん、こんにちは!平林涼です。
「金利が上がると、どうなる?」「住宅ローンの金利、固定と変動どっちがいい?」「マイナス金利って、預金したらお金が減っちゃうの?」
金利に関する疑問、たくさんありますよね。私も、金融の世界に入るまでは、「金利?よく分からないけど、とりあえず低い方がいいんでしょ?」くらいにしか考えていませんでした。
しかし、金利は、私たちの生活、そして日本経済全体に、非常に大きな影響を与える、重要な要素なんです。金利を制する者は、経済を制す、と言っても過言ではありません!
今回は、金利の基本から、種類、決まり方、変動要因、そして私たちへの影響について、FPの視点から、分かりやすく、そしてちょっぴり深掘りして解説していきます!
金利とは?~お金のレンタル料、そして経済のバロメーター~
金利とは、お金を借りたときに支払う、またはお金を預けたときに受け取る対価のこと。お金の貸し借りに対する「レンタル料」のようなものですね。
でも、金利は単なるレンタル料ではありません。金利は、経済全体の状況を映し出す鏡であり、経済を動かす原動力でもあるんです。
金利の重要な役割
金利には、経済において、主に3つの重要な役割があります。
- お金の需給調整機能 金利は、お金を借りたい人と貸したい人のバランスを取る役割を果たします。金利が上がれば、お金を借りたい人が減り、預けたい人が増えます。逆に、金利が下がれば、お金を借りたい人が増え、預けたい人が減ります。
- 資源配分機能 金利は、資金を最も必要としている分野、つまり、最も効率的に活用できる分野に、お金を配分する役割を担っています。有望な事業には低い金利でお金が集まり、そうでない事業には高い金利が課せられる、というわけです。
- 経済活動の調整機能 金利は、景気を調整するための重要な手段(金融政策)として使われます。景気が過熱している時は金利を上げて経済活動を抑え、景気が後退している時は金利を下げて経済活動を刺激します。
金利の種類~たくさんあるけど、整理すれば大丈夫!~
金利には、本当にたくさんの種類があります。住宅ローン、自動車ローン、教育ローン、カードローン…それぞれのローンにも、固定金利、変動金利、元利均等返済、元金均等返済…など、さまざまなタイプがあります。
ここでは、主な金利の種類と、その特徴を整理してみましょう。
貸出金利と預金金利
まず、お金を借りる側が支払う金利が「貸出金利」、お金を預ける側が受け取る金利が「預金金利」です。
短期金利と長期金利
次に、お金を借りる(または貸す)期間によって、「短期金利」と「長期金利」に分けられます。
- 短期金利: 期間が1年未満。 日本の代表的な短期金利は、無担保コールレート(オーバーナイト物)。金融機関同士が、資金を短期間貸し借りする際の金利です。
- 長期金利: 期間が1年以上。 長期金利の代表的な指標は、10年物国債利回りです。
固定金利と変動金利
金利が途中で変わらないのが「固定金利」、途中で変わる可能性があるのが「変動金利」です。
- 固定金利: メリットは、返済計画が立てやすいこと。 デメリットは、変動金利よりも、金利が高めに設定されることが多いこと。
- 変動金利: メリットは、固定金利よりも、金利が低めに設定されることが多いこと。 デメリットは、金利が上昇すると、返済額が増える可能性があること。
名目金利と実質金利
私たちが普段目にしている金利は「名目金利」です。「実質金利」は、名目金利から物価上昇率(インフレ率)を差し引いたもの。実質金利こそが、お金の実質的な価値の変化を表しています。
長短金利差(イールドカーブ) 長期金利と短期金利の差も重要です。通常は長期金利の方が高いのですが(順イールド)、 長期金利が短期金利を下回る状態(逆イールド)になることがあり、これは景気後退の予兆とされています。
その他の金利
- 政策金利: 中央銀行が、金融政策のために操作する金利。
- 市場金利: 金融市場で、需要と供給によって決まる金利。
- プライムレート: 銀行が、優良企業に貸し出す際の最優遇金利。
金利はどうやって決まる?~複雑なメカニズムを読み解く~
金利は、さまざまな要因が複雑に絡み合って決まります。
- 金融政策: 日本銀行(日銀)は、政策金利を上げ下げすることで、金利をコントロールしようとします。
- 景気: 景気が良くなると、企業がお金を借りて設備投資を増やそうとするため、資金需要が増え、金利は上昇する傾向があります。景気が悪くなると、逆のことが起こります。
- 物価: インフレになると、お金の価値が下がるため、金利は上昇する傾向があります。デフレになると、逆のことが起こります。
- 為替: 円安になると、輸入物価が上がり、インフレ懸念が高まるため、金利は上昇する傾向があります。円高になると、逆のことが起こります。
- 海外の金利: 海外の金利が上昇すると、日本の金利も上昇する傾向があります。特に、アメリカの金利の影響は大きいです。
- 国債の需給: 国債の供給が増える(国債の発行額が増える)と、金利は上昇する傾向があります。国債の需要が増える(国債の人気が高まる)と、金利は低下する傾向があります。
- 金融機関の貸出態度: 金融機関が貸し出しに積極的になると、金利は低下する傾向があります。消極的になると、金利は上昇する傾向があります。
金利と私たちの生活~FPが教える影響と対策~
金利の変動は、私たちの生活にさまざまな影響を与えます。
- 預金: 金利が上がれば、預金の利息は増えます。しかし、今の日本では、超低金利が続いているため、預金金利はほとんど期待できません。
- 住宅ローン: 金利が上がると、住宅ローンの返済額が増えます。特に、変動金利型で借りている人は、要注意です。
- 企業の借入: 金利が上がると、企業の借入コストが増加し、設備投資などが抑制される可能性があります。これは、景気や私たちの雇用にも影響します。
- 物価: 金利は、物価にも影響を与えます。日銀は、金利を操作することで、物価を安定させようとしています。
- 株価: 一般的に、金利が上がると、株価は下がる傾向があります。金利が上がると、企業の借入コストが増加し、業績が悪化する可能性があるからです。また、預金などの魅力が相対的に高まり、株式から資金が流出する可能性もあります。
- 為替: 一般的に、金利が上がると、円高になる傾向があります。金利が高い通貨は、買われやすくなるからです。
金利変動リスクに備えるためには、
- 金利の動向に関心を持つこと: 新聞やニュースなどで、金利に関する情報をチェックしましょう。
- 金利の種類を理解すること: 固定金利、変動金利、短期金利、長期金利など、それぞれの特徴を理解しましょう。
- 分散投資をすること: 預貯金だけでなく、株式や債券、不動産など、さまざまな資産に分散投資しましょう。
- 長期的な視点を持つこと: 短期的な金利変動に一喜一憂せず、長期的な視点を持ちましょう。
- 専門家のアドバイスを聞くこと: 分からないことや不安なことは、FPなど、専門家に相談しましょう。
金利と上手に付き合うために~私が実践していること~
私自身も、金利変動リスクを考慮しながら、資産運用を行っています。
- 住宅ローンは、固定金利型を選択。 金利上昇リスクを避けるためです。
- 預貯金は、ネット銀行の高金利定期預金などを活用。 少しでも有利な金利を得るためです。
- 資産運用は、長期・積立・分散投資を基本に。 短期的な金利変動に左右されないためです。
- 経済ニュースや金融情報をこまめにチェック。 金利の動向を把握するためです。
まとめ ~金利は、経済の「体温計」、そして私たちの生活の「羅針盤」~
金利は、
- お金のレンタル料
- 経済の状況を反映するバロメーター
- 私たちの生活に大きな影響を与える
…ということを理解しておきましょう。
金利は、経済の「体温計」のようなものです。体温が高すぎても(高金利)、低すぎても(低金利)、体調が悪くなるように、経済も、金利が高すぎても低すぎても、うまく機能しません。
また、金利は、私たちの生活の「羅針盤」でもあります。金利の動向を理解することで、私たちは、より賢く、より豊かな生活を送ることができるようになるはずです。
今回の記事が、皆さんの金利への理解を深め、より良い人生設計の一助となれば幸いです。
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