皆さん、こんにちは!平林涼です。
「円高ドル安」「1ドル150円」…ニュースでよく聞くけど、為替ってイマイチよく分からない… 為替レートが変動すると、私たちの生活にどんな影響があるの? そもそも、為替って何?
…そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。私も、経済を学び始めるまでは、「為替?海外旅行に行くときに両替するやつでしょ?」くらいの認識しかありませんでした。(笑)
しかし、為替は、私たちの生活に密接に関わっていて、経済の状況を知るための重要な指標の一つなんです。
今回は、為替の基本から、円高・円安のメリット・デメリット、為替レートの決まり方、そして私たちの生活への影響について、分かりやすく解説していきます!
為替とは?~外国のお金と交換すること~
為替とは、一言で言うと、「異なる国の通貨を交換すること」です。
例えば、日本円をアメリカドルに交換したり、ユーロをイギリスのポンドに交換したりすることです。
私たちが海外旅行に行くとき、日本円を現地の通貨に両替しますよね?あれも為替取引の一種です。
外国為替市場
為替取引は、主に「外国為替市場」(通称:外為市場、FX市場)で行われます。
外国為替市場は、特定の場所があるわけではなく、世界中の銀行や証券会社、機関投資家などが、電話やインターネットを通じて24時間取引を行っています。
為替レートとは?~通貨の交換比率~
為替レートとは、「異なる国の通貨を交換する際の交換比率」のことです。
例えば、「1ドル=150円」という為替レートは、「1ドルを150円と交換します」という意味です。
為替レートは、常に変動しています。ニュースで「今日の東京外国為替市場の終値は、1ドル=150円20銭~30銭でした」などと報道されているのを聞いたことがあると思います。
円高・円安ってどういうこと?~円の価値が変わる!~
- 円高:
- 円の価値が高くなること。
- 例えば、「1ドル=150円」から「1ドル=140円」になるのは、円高です。
- 少ない円で、より多くのドルと交換できるようになります。
- 円安:
- 円の価値が安くなること。
- 例えば、「1ドル=150円」から「1ドル=160円」になるのは、円安です。
- より多くの円を払わないと、同じドルと交換できなくなります。
円高・円安のメリット・デメリット~誰が得して、誰が損する?~
円高・円安は、それぞれにメリットとデメリットがあり、誰にとって有利か不利かは、立場によって異なります。
以下に表でまとめます。
円高 | 円安 | |
---|---|---|
メリット | – 輸入製品(海外ブランド品、食料品など)の価格が下がる – 海外旅行に行きやすくなる – 海外の資産(株、債券など)を安く買える |
– 輸出企業の競争力が高まる(海外で製品が安く売れる) – 外国人観光客が増える(日本での買い物が割安になる) – 海外資産(株、債券など)の価値が上がる(円換算で) – 外貨建ての収入(給料、配当など)が増える(円換算で) |
デメリット | – 輸出企業の競争力が低下する(海外で製品が高く売れる) – 外国人観光客が減る(日本での買い物が割高になる) – 海外資産(株、債券など)の価値が下がる(円換算で) – 外貨建ての収入(給料、配当など)が減る(円換算で) |
– 輸入製品(海外ブランド品、食料品など)の価格が上がる – 海外旅行に行きにくくなる – 海外の資産(株、債券など)を高く買わなければならない |
為替レートはどうやって決まるの?~需要と供給のバランス~
為替レートは、基本的には、外国為替市場における通貨の需要と供給のバランスによって決まります。
- 需要: ある通貨を買いたいと思う量
- 供給: ある通貨を売りたいと思う量
例えば、日本円の需要が高まり、供給が減れば、円高になります。逆に、日本円の需要が減り、供給が増えれば、円安になります。
為替レートを変動させる要因
- 金利差:
- 一般的に、金利が高い国の通貨は買われやすく(通貨高)、金利が低い国の通貨は売られやすい(通貨安)傾向があります。
- 経済成長率:
- 経済成長率が高い国の通貨は買われやすく、経済成長率が低い国の通貨は売られやすい傾向があります。
- 物価上昇率(インフレ率):
- インフレ率が高い国の通貨は売られやすく、インフレ率が低い国の通貨は買われやすい傾向があります。
- 貿易収支:
- 輸出が増えて貿易黒字になると、その国の通貨は買われやすくなります。
- 輸入が増えて貿易赤字になると、その国の通貨は売られやすくなります。
- 政治・地政学的リスク:
- 政治的な混乱や戦争、テロなどが発生すると、その国の通貨は売られやすくなります。
- 投機:
- 短期的な利益を狙って、通貨を売買する投機家の動きも、為替レートに影響を与えます。
- 政府・中央銀行の介入:
- 政府や中央銀行が、為替市場で通貨を売買することで、為替レートに影響を与えることがあります(為替介入)。
- 政府や中央銀行が、為替市場で通貨を売買することで、為替レートに影響を与えることがあります(為替介入)。
為替と私たちの生活~どんな影響があるの?~
為替レートの変動は、私たちの生活にさまざまな影響を与えます。
- 輸入品の価格:
- 円高になると、輸入品の価格は下がり、円安になると、輸入品の価格は上がります。
- 海外旅行:
- 円高になると、海外旅行に行きやすくなり、円安になると、海外旅行に行きにくくなります。
- 企業の業績:
- 輸出企業は、円安になると業績が良くなる傾向があり、円高になると業績が悪くなる傾向があります。
- 輸入企業は、円高になると業績が良くなる傾向があり、円安になると業績が悪くなる傾向があります。
- 株価:
- 為替レートの変動は、企業の業績を通じて、株価にも影響を与えます。
- 資産運用:
- 外貨預金や外国株式、外国債券などの外貨建て資産の価値は、為替レートによって変動します。
私の為替との付き合い方~そして、思うこと~
私は、大学で経済学を専攻し、為替について詳しく学びました。その後、金融機関で働く中で、為替レートの変動が、経済や企業業績、そして私たちの生活に与える影響の大きさを実感してきました。
為替レートは、さまざまな要因によって変動するため、予測することは非常に難しいです。しかし、為替の基本的な仕組みや、為替レートを変動させる要因について理解しておくことは、
- 海外旅行や輸入品の購入
- 外貨建て資産の運用
- 企業の経営戦略
- 日本経済の動向
…などを考える上で、非常に役立ちます。
私は、為替レートの変動を完全にコントロールすることはできませんが、為替に関する知識を深め、リスクを理解し、適切に対応することで、為替と上手に付き合っていきたいと考えています。
まとめ ~為替は、世界経済の羅針盤~
為替は、
- 異なる国の通貨を交換すること
- 為替レートは、通貨の交換比率
- 円高・円安は、円の価値の変化
- 為替レートは、需要と供給のバランスで決まる
- 私たちの生活にさまざまな影響を与える
…ということを理解しておきましょう。
為替は、世界経済の動きを映し出す鏡であり、羅針盤でもあります。為替について学ぶことは、世界経済の理解を深めることにもつながります。
今回の記事が、皆さんの為替への理解を深める一助となれば幸いです。
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